主張

米国防長官の来日 新たな同盟強化の起点に 抑止力向上へ自衛隊拡充せよ

 トランプ氏は大統領選のさなか、日本の負担が過小であると繰り返し、主張した。それによって日米間に生じたわだかまりは解消できたのではないか。

日本主体の尖閣防衛策を

 強調したいもう一つの点は、尖閣防衛への米国の協力が確認されたことは歓迎すべきであるものの、それに安堵(あんど)して防衛努力を怠ってはならないことである。

 米国が差しかける「核の傘」があればこそ、非核国の日本は、核武装する中国が尖閣を狙っていても守りを固めることができる。

 日本の領土である尖閣の防衛は、あくまでも一義的には自衛隊が主体で行うものだ。

 だが、米政府要人との会談ごとに、尖閣への安保条約適用を確かめて満足するような政府の姿勢がうかがえる。自国防衛の決意と態勢が、なお十分でないことを露呈していないか。

 安倍首相がマティス氏に対し、「防衛力を強化し、自らが果たし得る役割の拡大を図っていく」と伝えたのは妥当である。肝要なのは有言実行だ。

 安倍政権は防衛費を毎年、わずかながら増額し、平成29年度予算案では5兆円超となった。だが、GDP(国内総生産)比では1%にとどまる。

 一方、中国や北朝鮮は地域の軍事バランスを崩すようなペースで軍拡をしている。防衛費の思い切った増額に踏み切らなければならないし、敵基地攻撃能力の導入も待ったなしの課題である。

 もとより、これらは好戦的な発想に基づくものではない。自衛隊と日米同盟の強化こそ、平和を保つ近道であり、経済的繁栄の基盤の確保にも欠かせない。

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