小山市のスナックで平成15年9月、経営者の稲葉さきさん=当時(74)=が殺害され、現金などが奪われた事件で、県警は2日、強盗殺人の疑いで、19年に70歳で死亡した同市の無職の男を、容疑者死亡のまま書類送検した。事件発生から13年5カ月を経て、遺留品のDNA型鑑定などから容疑者が特定された。
書類送検容疑は、15年9月9日午前0時ごろ、同市宮本町のスナックで、稲葉さんを鈍器のようなもので殴って殺害し、現金約9万4千円や腕時計などを奪ったとしている。
男は16年3月に別の飲食店で女性をバールで殴ったとして殺人未遂容疑で逮捕された。稲葉さん殺害事件についても複数回聴取を受けたが、「やっていない」と関与を否認していた。
県警によると、男と稲葉さんは不動産業者を紹介するなど顔見知りだったという。男は殺人未遂事件で実刑判決が確定し、服役中の19年3月、刑務所内で病死した。同年5月に現場の遺留品から検出されたDNA型が男のものと判明。店の売上伝票など他の証拠も精査するなどして捜査を進めていた。