東京電力福島第1原発事故に絡み、福島県から千葉県内に避難した3世帯の子供が「転校先の学校でいじめを受けた」など話していることが27日、分かった。国と東電に損害賠償を求め千葉地裁で集団訴訟を起こしている避難者らの弁護団が明らかにした。弁護団によると、3世帯はいずれも千葉地裁の訴訟の原告で、意見陳述でいじめ被害を訴えるなどしているという。
福島県南相馬市から事故直後に千葉県木更津市に避難してきた1世帯では、当時中学生の男子生徒が転校先で同級生から「放射能がうつる」などと言われたという。原告側は、男子生徒がその後「通院や別の学校への転校を余儀なくされた」-と主張している。
福島県広野町から千葉市花見川区に避難した別の1世帯でも、転校先の小学校で子供が同級生らから「何で福島から来たんだ」などと言われたため、市外へ引っ越し。新たな転校先では教育委員会と相談し、福島県からの避難を伏せることにしたという。
また、横浜市のいじめ被害が報道されたため弁護団で被害についての聞き取りを行った結果、新たに別の1世帯でも子供が「学校でいじめられた」と話し始めたという。
千葉県教委によると、昨年5月1日時点で千葉市を除く県内に避難している児童・生徒は270人。県教委は昨年12月〜今年1月中旬、在籍している学校を通じて個人面談や保護者への連絡などを行って調査した結果、いじめは確認できなかったと発表していた。千葉市教委も市内の小中学校の児童生徒54人にいじめはなかったとしている。
県教委の担当者は「事実だとすれば誠に遺憾。事実確認をしっかり行い、今後の対応を検討していきたい」と話している。