産経抄

これほど涙の似合う男はいない 1月23日

 相撲部屋の朝稽古は通常午前11時には終わる。もっとも、かつての鳴戸部屋では、午後1時頃まで続くのは当たり前だった。朝4時に起きた位の下の力士には、まだ関取衆のちゃんこの給仕などの仕事があり、昼寝の時間がなくなる。「稽古中に立ちながら寝てしまうこともしょっちゅうだった」。

 ▼元関脇若の里の西岩親方は、自伝「たたき上げ」(大空出版)で、角界一の猛稽古を振り返る。大相撲初場所で初優勝を遂げた、大関稀勢の里は入門してまもなく、若の里の付け人を務めた。毎日、泥だらけで汗と涙の両方を流しながら、兄弟子にくらいついてきたという。

 ▼少年時代は、「泣き虫」で有名だった。相撲大会で負けた時、逆上がりができなかった時、マラソン大会で最下位になった時、人目をはばからず号泣したものだ。入門後も、涙との縁は切れなかった。

 ▼初土俵から番付を駆け上がりながらも、三役で足踏みが続いた。師匠の先代鳴戸親方(元横綱隆の里)が急死したのは、大関取りのかかった平成23年の九州場所の直前である。名跡をめぐるトラブルにより、部屋の移転を余儀なくされる試練もあった。何より昨年、年間最多勝を挙げながら、優勝では他の大関に先を越される屈辱は、骨身にこたえたはずである。

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