産経抄

共謀罪は世界の常識 1月17日

 いわゆる「ロス疑惑」の主人公、三浦和義氏は、妻一美さんの銃撃事件について、日本では無罪が確定している。ところが平成20年2月、米自治領サイパン島に滞在中、ロサンゼルス市警に逮捕された。容疑の一つは、日本の司法制度にはない共謀罪だった。

 ▼カリフォルニア州法によれば、2人以上による犯罪行為の共謀を立証すれば、実行犯を特定する必要はないという。三浦氏はロスに移送された直後に自殺した。裁判が行われていれば、共謀罪について日本でもう少し理解が深まったかもしれない。

 ▼もっとも、政府がこれまで創設をめざしてきた共謀罪は、米国の法律とはまったく違う。あくまでテロなど重大犯罪を謀議する団体が対象である。それでも、共謀罪を盛り込んだ組織犯罪処罰法の改正案は、野党などの反対で3回も廃案になってきた。

 ▼「居酒屋で同僚に『上司を殴る』などと相談しただけで処罰される」。こんな誤ったたとえ話がまかり通ってもきた。そこで政府は、適用対象を暴力団など「組織的犯罪集団」に限定して明文化した。共謀罪の名称も「テロ等準備罪」に改めた。テロ対策は、3年後に開催を控えた東京五輪・パラリンピックの最大の課題となっている。少しの猶予も許されない。

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