主張

カジノ解禁法成立 国の無責任さ見過ごせぬ

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法が、十分な審議を経ないまま、国会終盤に成立した。

 参院での採決前に、ギャンブル依存症への対策をめぐり一部修正が加えられた。だが、政府に求める「必要な措置」の具体例として依存症を明示したにすぎず、およそ十分な措置とはいえない。

 依存症の懸念はかねて指摘されていた。具体策の青写真さえ示さないままでの成立は無責任というしかない。これで国民の理解を得られるだろうか。

 同法が超党派による議員立法だったことも、事態を複雑にした。本来、法案の作成段階で与野党がよく練り上げた上で、円滑な審議に付されることが期待された。

 だが、与党内にも慎重論が出て公明党が自主投票を決めた。賛否が相半ばした民進党も、修正を評価して採決を容認するなど態度を豹変(ひょうへん)させた。審議時間は衆参合わせて20時間余で、賛否が割れる法案として拙速さは否めない。

 同法はカジノを合法化し、ホテルや会議場を一体として整備するよう政府に求める「基本法」だ。具体的な制度の内容は、施行後1年以内をめどに政府がまとめる実施法案に委ねる。

 ならば、初めから政府提出法案にすべきではなかったか。安倍晋三政権は、カジノを成長戦略の目玉に位置付けるほどその効果に期待している。依存症対策は、政府が自ら対応する責任が大きい。

 カジノについて、マネーロンダリング(資金洗浄)に使われる恐れや、暴力団など犯罪組織の関与なども指摘され、警察庁にも慎重な姿勢がある。

 賭博は本来、犯罪だが、カジノを例外的に正当行為とみなすための論拠を、政府が責任をもって構築するのは当然だろう。

 それらの問題の調整を終えないまま自らは前面に出ないようにして、議員立法のお墨付きを得る。実現への推進を図る政府の手法は問題が大きい。

 カジノ合法化を優先させた裏で、実現を図る機運さえみられなかった課題がある。自衛隊と米軍の物資輸送の取り決めである日米物品役務相互提供協定(ACSA)承認案や、労働時間規制の緩和を柱とする労働基準法改正案などである。政策の優先順位をめぐる巨大与党の判断にも、疑問が向けられよう。

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