職場付近に女子校が多く、女子中高生の会話を耳にすることがある。遅めの昼食を近所の軽食屋でとっていると、定期試験のころなどには、隣のテーブルから今時の韓国の10代女子の話し声が嫌でも耳に入ってくる。
「歌手の誰々に似ているといわれた」「英語の成績がすごく上がった」「海外旅行に行っちゃった」など、大抵は自慢話の応酬だ。自慢された方は「チャルラッソ(すごいね)」と皮肉気味に返し、さっさと次の話題に移る。
韓国の女子中高生もおしゃべり好きで、しかも会話のスピードはとても速い。日本の中年のおっさんが隣で聞き耳を立てているとも知らず、マシンガンのように話し続ける。こちらは、心の中で「それからどうした」「もっと言い返せ」などとつぶやき楽しんでいる。韓国語の聞き取り練習と同時に取材にも役立つ。
最近、彼女らの会話に朴槿恵(パク・クネ)、崔順実(チェ・スンシル)、鄭(チョン)ユラなどの名前がよく出てくる。朴大統領とその親友の崔被告母娘だ。特に不正入学で大学を除籍となり、高校卒業資格も取り消されたユラ氏への非難と嫉妬はすごい。
崔被告らの国政介入事件に関する会話からは、10代女子の相当な強い怒りが伝わってくる。ただ、話の内容には噂や私情が入ったものも多い。聞き耳取材には慎重を期している。(名村隆寛)