「ノーブラで追いかけっこした」。西武新宿線高田馬場駅の異臭事件は、逮捕された女がインターネット上で異様な発言を繰り返していたことが明らかとなった。あらゆる人物に敵意をまき散らし、AKB48ら芸能人を「ブス」と切り捨てる一方、俳優と交際しているかのような妄想も展開。捜査関係者は渦巻く罵詈(ばり)雑言と無差別的な犯行の因果関係を探っている。
テロか!? 高田馬場駅の構内騒然、9人搬送
「テロ」の二文字が乗客や捜査関係者の頭をかすめたに違いない。9月28日午後5時45分ごろ、帰宅ラッシュでごった返す西武新宿線高田馬場駅ホームで、電車待ちの人たちがせき込む声が響き渡った。
「ホームで刺激臭がしてせきが止まらず、目が痛い」。駅の事務室に駆け込んだ乗客は駅員に訴えた。驚いた駅員がホームに行くと、約20人ほどの男女が同様の症状を訴えていた。
駅から通報を受け、パトカーや消防車が次々に駆けつけた。テロの初動捜査などに当たる警視庁公安機動捜査隊や、防護服を身につけた消防の救助隊も到着し、現場は騒然とした空気に包まれた。駅前交番の周辺にはビニールシートが張られ、次々と症状を訴える被害者が運び込まれた。
交番付近で友人と待ち合わせ中に騒動を目撃した男子大学生(21)は「ぐったりした女の人が運び込まれていた。消防の人も普通とは違う服で救助していたし、『のどの痛み』と叫んでいる声が聞こえたので、テロがあったのかと思って怖かった」と当時を振り返る。