1986(昭和61)年にインドネシアの日米両大使館に迫撃弾が撃ち込まれた「ジャカルタ事件」に関与したとして、殺人未遂罪などに問われた日本赤軍メンバー、城崎(しろさき)勉(つとむ)被告(68)の裁判員裁判初公判が21日、東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれた。城崎被告は「全くのでっち上げ。無罪です」と起訴内容を否認した。
城崎被告は、日本赤軍が日航機を乗っ取り、拘束中のメンバーの釈放を求めた77年の「ダッカ事件」で、日本政府が「超法規的措置」で釈放した6人のうち1人。潜伏先のネパールで96年に身柄拘束され、ジャカルタ事件について米国で禁錮30年の判決を受けた。模範囚として刑期が短縮され、2015年に釈放。日本に移送後、起訴された。
検察側は「事件現場から城崎被告の指紋が見つかった。目撃証言もある」と指摘。弁護側は「被告は事件当時、レバノンにいた。約30年前の目撃証言は信用できず、指紋も捏造(ねつぞう)の可能性がある」と主張した。
検察側の冒頭陳述などによると、城崎被告はインドネシアの首都ジャカルタのホテルの一室から日本大使館に向けて迫撃弾を発射し、職員を殺害しようとしたなどとされる。