放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会(汐見稔幸委員長)は9日、テレビ番組が残虐なシーンを放送する際、「視聴者に『見る』『見ない』を選択するための情報を(事前に)示すことが公共性の点から必要なのではないか」と、配慮をうながす委員長コメントを出した。
委員会によると、7月15日までに、ある連続ドラマの初回放送について「ゴールデンタイムなのに死体の描写がグロテスク過ぎる」「異常犯罪が続く中、子供や青少年への影響が怖い」「事前に注意喚起のテロップを流すなり、時間帯を考えて放送して」といった意見が多数、寄せられた。委員会はドラマ名を公表していないが、劇中では、少女が口に物を詰められて殺害されているシーンなどが含まれていたという。
委員会は番組そのものを問題視しないことに決めた一方で、残虐なシーンの放送には「配慮が必要」として、委員長コメントを発表。「猟奇的に殺された姿を突然、前触れもなく放送することは、一部の人に『嫌悪感』『過度の刺激』を与える可能性がある」などとして、番組冒頭での事前表示などの必要性を指摘した。