松崎氏は「日本人の利用者数は増減が少ないため、増加分の大半が外国人客とみている。ラピートに乗車する外国人の約8割が韓国人だ」と説明する。
爆買いの主力である中国人客は団体ツアーが中心で、空港から直接バスに乗り込むケースが多い。一方、韓国人客は個人旅行が中心であるため、電車の利用率が高い。
気になるのは韓国人客の乗車マナー。空港で購入したファストフードを車内で食べる客が後を絶たない。特にポテトフライが強烈なにおいを放つため、日本人客から苦情が出ることもある。
ほかに「スーツケースが場所を取りすぎている」「自分の指定席に韓国人が勝手に座っている」といった指摘もあるそうだ。
胃袋も狙い撃ち
追い風は止む気配がない。同社インバウンド事業部によると、韓国では日本のグルメを紹介するテレビ番組が人気といい、旅行者が番組をまねてネット上で食べ歩きの様子を自慢する遊びが流行。「食い倒れ」で知られる大阪への関心が高まっている。
同社はさっそく、難波駅でラピートに乗ってきた韓国人らの胃袋を狙い撃ちすることにした。
同駅ビルに5月、すしや天ぷらなどの和食を提供する食堂を開業。店頭にリアルな食品サンプルを並べ、4言語のメニュー表を用意するなど外国人受けを重視している。
インバウンド事業部は「訪日する韓国人客は、高齢者と比べて『反日感情』が強くない若者が中心。格安航空会社(LCC)の増便もあり、今後も多くの利用が期待できそうだ」としている。