スピードと快適性
「韓国高速鉄道KTXの座席もラピートみたいに広ければいいのに」「先頭車両がロボットの顔みたいでクールだ」「丸い窓の電車なんてレジャー施設以外で見たことがない」…。
韓国人らが書き込むインターネット上のブログには、ラピートのデザインや快適さを絶賛する声がずらりと並んでいる。
難波-関西空港間を南海線・空港線経由で運行、40分弱で走る特急ラピートは平成6年、空港線の開通に合わせて投入された。ラピートとは「速い」という意味のドイツ語で、一般公募で決まった。最高時速は120キロ、1日約30往復している。
6両編成。大阪湾などをイメージした青色の車両の形は、航空機の流線形とSLの力強さを融合した。楕円(だえん)窓のデザインも航空機のイメージから生まれた。内装も上質で、全席指定・禁煙。座り心地のよいシートも特色だ。
ガンダム車両で注目
「韓国人の人気は26年、アニメ『機動戦士ガンダムUC』とタイアップして赤い車両を走らせたのをきっかけに火がついた」。同社総務部の松崎彰宏課長補佐(36)は振り返る。
赤く塗装された「機動戦士ガンダムUC」とのタイアップ車両は平成26年4月末から6月末までの2カ月間走らせた。昨年11月~今年5月には、映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の公開に合わせて、黒い塗装に映画の登場人物を描いた特別仕様の車両も登場させた。世界的な人気を誇る作品だけに、韓国のファンも大挙して押し寄せた。
もともと人気の牽引(けんいん)役となったのが、韓国で「チョルドオタク」と呼ばれるマニアたちだった。