日銀が20日発表した7月の「主要銀行貸出動向アンケート」によると、個人向けの資金需要判断指数(DI)はプラス14と、前回4月調査から5ポイント改善した。2014年4月調査以来、2年3カ月ぶりの高水準となった。
個人向けの資金需要が増加した要因は、「貸出金利の低下」が最も多く、「住宅投資の拡大」が続いた。日銀のマイナス金利政策の導入で、貸出金利が低下したことを受け、住宅ローンの借り換えを中心に需要が増加したもようだ。
一方、企業向けの資金需要判断DIはプラス4と、前回のプラス5から1ポイント悪化した。規模別にみると、大企業向けがマイナス2(前回はプラス5)と悪化。中堅企業向けがプラス1(マイナス1)、中小企業向けはプラス5(プラス4)とそれぞれ小幅改善した。
企業向けが伸び悩む背景には、内部留保が潤沢で金融機関に頼らずに設備投資ができるといった理由に加え、「景気の先行き不安から投資に慎重姿勢が続いているため」(大手銀)との見方が根強い。マイナス金利政策の効果が、個人向け住宅ローン以外に波及していないことが改めて浮き彫りになった。
調査は6月9日~7月8日までで、信用金庫と銀行の計50を対象に実施した。