パチンコ機器大手「ユニバーサルエンターテインメント」(UE)のフィリピンへのカジノ進出をめぐる朝日新聞の5件の記事で名誉を毀損(きそん)されたとして、UE社が朝日新聞社に1億円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が1日、東京高裁であった。
水野邦男裁判長は記事1件について「裏付け取材をしておらず、名誉毀損の不法行為が成立するが、部分的には真実だった」とし、朝日側に330万円の賠償を命じた1審判決を変更、賠償額を33万円とした。
記事は「UE社は同社の意思決定に基づき同国側に4千万ドルを送金した」と指摘したが、高裁は「4千万ドルのうち1500万ドルは同社の意思決定に基づく送金と認定できない」とした。 朝日新聞社広報部は「1審判決に比べて主張が認められた。一部の主張が認められなかった点については判決を精査し、対応を考える」とコメントした。