定年後も同じ仕事なのに賃下げは「違法」 東京地裁が初判断

 定年後、同じ会社に期限付きの嘱託社員として再雇用された男性3人が、定年前と同じ仕事をしているのに賃金が下げられたのは労働契約法20条(有期労働者への不合理な労働条件の禁止)違反だとして、会社側に適切な給与の支払いを求めた訴訟の判決が13日、東京地裁であった。佐々木宗啓裁判長は「正社員と嘱託社員で職務内容や配置変更(転勤)の範囲、責任の度合いに違いがないのに、賃金額が異なるのは不当だ」とし、男性3人の主張を全面的に認め、会社側にそれぞれ約100~200万円を支払うよう命じた。

 原告側弁護団によると、定年後の労働者の賃金額の妥当性をめぐる司法判断は初。年金支給年齢の引き上げを背景に、企業には高年齢者の雇用維持(定年引き上げ、再雇用の導入など)が法的に義務付けられている。弁護団は「定年後の労働者の賃金を下げる企業が多い中、画期的な判決だ」と評価した。一方で、高年齢労働者の賃金が維持されれば、新卒採用の減少など影響が出る可能性もある。

 判決によると、3人は横浜市の運送会社で正社員として働き、平成26年に定年退職。その後、1年間などの嘱託契約を結んだが、正社員時代と同じ仕事をしながら、給与や賞与が下げられ、年収は約3割減った。

 佐々木裁判長は「会社の経営状況は悪くなく、賃金を抑える合理性はなかった」「再雇用が年金までのつなぎだとしても、嘱託社員の賃金を下げる理由にはならない」と指摘した。

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