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街頭や駅前広場をプロレス一色に染める横浜市の「商店街プロレス 2016シリーズ」が6月に開幕する。過激な試合で知られる「大日本プロレス」(BJW・横浜市都筑区)と横浜市商店街総連合会がタッグを組んだ異色のイベントも今年ですでに5年目。市内各地の商店街の大きな盛り上げ役として受け継がれてきた。地域ぐるみの賑わいをつなぐレスラーに、その魅力と今シーズンにかける思いを聞いた。
「日常の中の非日常」
「プロレスなんて見たこともなかった子供が手を叩いて喜んでくれるし、年配の方は『力道山以来初めて(生で試合を)見た』と声をかけてくれる。これはうれしいですよね」
そう顔をほころばせるのは、大日本プロレスで地域活性振興担当も務める沼澤直樹選手。黒天使沼澤邪鬼のリングネームのとおり、蛍光灯や凶器を駆使した過激な「デスマッチ」を繰り広げる強面の選手だ。それが、商店街プロレスの魅力を語り出すと止まらない。「ファンでない人も足を止めて、次の試合も見ようと何時間も商店街にとどまってくれる。一般的なイベントではありえないことです」。
「プロレス見るなら大日本!買い物するなら商店街!」を合言葉に、昨年は約半年で横浜市内15商店街を巡業した。買物客が行きかう商店街や駐車場に本格的なリングを設置。デスマッチこそ行わないものの、プロの選手らが激しくぶつかり合う迫力と、時にユーモアあふれる選手らの掛け合いに、観客は歓喜した。街中に突如現れる「日常の中の非日常」は、通行人までも虜にした。
商店街の風物詩
横浜市の商店街プロレスの歴史は長い。2004年に公開された映画『お父さんのバックドロップ』(宇梶剛士主演、李闘士男監督)の撮影地、市神奈川区の六角橋商店街が大日本プロレスに呼び掛けたのがきかっけだった。