ハンセン病患者が当事者となった裁判を裁判所外に隔離して設置された「特別法廷」で審理した問題を検証してきた最高裁は22日、検証結果をまとめた調査報告書を25日に公表すると明らかにした。当日は、最高裁の今崎幸彦事務総長が会見する。特別法廷の設置手続きに不適切な点があったと認め、元患者に謝罪の意を示すとみられる。
最高裁によると、特別法廷は昭和23~47年に療養所や隣接する刑務所、拘置所などで95件行われた。最高裁は平成26年5月、元患者らの関係団体の要請を受けて調査を開始。内部調査だけでは不十分との批判があったことから、昨年9月以降、外部の有識者委員会を設置し検証を続けてきた。
有識者委は特別法廷について、憲法の平等原則や裁判公開原則に反し「違憲・違法の疑いがある」とする意見をすでに最高裁に伝えており、報告書にも併記される。
これに対し、最高裁は設置手続きが裁判所法に反した不適切な点があったと認め、元患者らに謝罪する方針。一方で、特別法廷の違憲性や、裁判の独立との関係から個々の裁判の内容までには踏み込まないとみられる。