大阪府や東京都は条例で飼い犬を常につないでおくよう規定。動物のトラブルに詳しい渋谷寛弁護士は「ノーリードで犬が道に飛び出せば、車も事故を起こすし、犬自身も車にはねられて死んでしまうこともあり、双方が不幸になる。飼い主は都会で犬にリードをつけないことの危険性を認識すべきだ」と指摘する。
広がるペット保険
そうした背景で広がりを見せつつあるのがペット保険だ。ペットが病気やけがをして、動物病院で治療を受けた際、医療費の負担に対して補償される健康保険が一般的だが、保険会社によっては、ペットが他人を咬んだり、物を壊したりした際の補償を特約でつけることもできる。
ペット保険大手のアニコム損保(東京都新宿区)によると、同社のペット保険加入者のうち特約をつける契約者は約40%。室内飼いが多い猫と比べ、散歩に出て他人と接触する機会の多い犬の方がリスクが高いため、契約の大半を犬が占める。
担当者は今回のようなケースでも、保険金がおりる可能性があるとしつつ「保険に入ったから安心というわけではなく、何より大事なのは、日ごろから事故が起きないよう気をつけることです」と話した。