経済インサイド

造船事業に泣かされる重工3社 三菱重工は大型客船で1600億円の巨額特損 受注が増えているのになぜ?

 昨年3月に予定されていた一番船の納入は3度も延期され、宮永社長が長崎造船所に何度も足を運び、工事の進捗状況を自分の目で確認するほど気をつかう。

 その工事の難しさについて宮永社長は「1500も部屋がある点だ」と指摘する。スイートルームが多ければ、カーペットを敷くのも楽だが、1500に上る部屋数に、現場の負担は並大抵ではない。

 また、ITの進化で10年前に建造した大型客船と仕様が全く異なるという。宮永社長は「勉強不足で船のスペックの読み方が不十分だった」と脇の甘さをこう認める。

 だが、問題は三菱重工の技術が足りないという点だけではなさそうだ。造船業界はほかの業界と異なり、顧客の力が圧倒的に強い。「無理な要求でも応えなければ、こう発注はこないビジネスだ」(造船業界関係者)という。

 このため、顧客と設計や仕様を詰めるコミュニケーション能力が極めて重要という。今回、三菱重工は「背伸びして難しい工事を受注した」との声も業界関係者の間でささやかれている。

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