雷雲から放射線、詳細観測に成功 島根県原子力環境センター

放射線量の測定局で、機器を確認する生田美抄夫専門研究員 =松江市
放射線量の測定局で、機器を確認する生田美抄夫専門研究員 =松江市

 ■ガンマ線 平常の4倍/バースト現象

 冬季の雷雲活動に伴って強い放射線が放出される現象の詳細な観測に、島根県原子力環境センターが成功した。平常時の4倍近いエネルギーのガンマ線が計測されたほか、「長時間バースト」「短時間バースト」と呼ばれる現象も克明にとらえた。こうした観測例はきわめて珍しく、雷と放射線の関係解明につながると期待がかかる。松江市で20日に開かれる同センターなどの発表会で報告される。

 センターでは、島根原発(松江市)による環境の影響を把握するため原発周辺に複数の測定局を設け、放射線量などを常時観測。これまでにみられた放射線量の急激な上昇はいずれも降雨など原発以外の要因で、異常値が出た際にはその原因把握に当たっている。

 雷雲からの放射線もその要因の一つ。冬の雷は、日本では地域によって「雪起こし」「ブリ起こし」と呼ばれるなど季節の風物詩だが、世界規模では日本以外にノルウェーや北米の一部でしかみられない、きわめて珍しい気象現象。

 一方、夏の雷は冬に比べて高い位置で発生するため、放射線が放出されても地上での観測に影響を及ぼさない。

 センターが今回、雷雲による放射線放出の詳細な状況を観測したのは、昨年2月5日。観測地点の1つで放射線量が午前6時29分から約2分間にわたって上昇した。これが「長時間バースト」で、この間に「短時間バースト」とみられる瞬間的な上昇も観測された。

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