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農業体験にマグロ解体ショー…。訪日外国人客(インバウンド)を呼び込む動きが、「爆買い」に沸く大阪や京都以外の近畿圏に広がっている。牽引(けんいん)役は「食」や「体験」にスポットを当てた観光施設。近畿農政局は、先進的取り組みを表彰し、関西一体での観光需要の取り込みを狙う。(石川有紀)
浴衣体験も
「マシッソヨ(おいしい)!」
木造の校舎で韓国からの団体客が地元農家の女性たちが作った家庭料理を楽しむ。ミカン畑では収穫体験をする豪州の修学旅行の生徒の笑い声が響く。
廃校になった地元小学校の建物や敷地を再利用した宿泊施設「秋津野ガルテン」(和歌山県田辺市)。ここでは、農産物の収穫体験や地元野菜の料理が楽しめる。都市と農村の交流「グリーンツーリズム」による地域活性化を目指して、平成20年秋にオープンした。
近年は、国内だけでなく、インターネットの口コミなどで外国人の注目を集め、高野山開創1200年を迎えた27年には、関西国際空港から高野山へ向かう途中に泊まる欧米人らを中心に前年の1・5倍の約300人が訪れた。運営する農業法人「秋津野」の玉井常貴(つねたか)社長は「木造校舎にノスタルジー(懐かしさ)を感じ、地元の手料理を食べ、浴衣で寝る体験も喜ばれている」と話す。