ドジャースと3年契約、総額4500万ドル(約54億5500万円)で合意したと伝えられた岩隈久志投手(34)が一転、破談となり、そのわずか13時間後に今季まで在籍していたマリナーズと1年、1200万ドル(約14億5千万円)で再契約した。ドジャースと仲違いとなった理由に挙げられたのが、「フィジカルチェックの結果、健康上の理由があった」(MLBの公式HP)というもの。野球選手にとって体の頑丈さは正式契約の第一条件だけに当然ともいえる。だが、何か腑に落ちない部分が残った。
ドジャースは岩隈との契約が成立しなかったことについて、球団の公式発表では、「フィジカル検査を受けた結果だ。それ以上はプライバシーに関わり、公表できない」と、岩隈の身体のどこが不合格になったか、詳しくを語られていない。
岩隈は故障で1シーズンの大半、あるいはすべてを棒に振ったことはなく、頑丈のように思えるが、そこは激務の先発投手とあって、今季は右広背筋痛で2カ月離脱、昨季も右手中指痛で1カ月出遅れている。どこかに契約を破談にせざるを得ないトラブルがあったとしても不思議ではない。
ただマリナーズはFAとなる岩隈を引き留めるために、11月7日に1年契約、年俸1580万ドルでクオリファイング・オフルァーを提示する際、チームドクターによる身体検査を行い、来季契約に支障はないとのお墨付きを得ていた。ディポトGMは「今季修了後、身体検査を受け、何の支障もないということだった」と語った。岩隈自身、「いたって健康です」と強調している。