理研は平成16年9月、森田浩介研究員(現九州大教授)らが加速器を使って30番の亜鉛を83番のビスマスに高速で衝突させ、核融合反応により113番の元素合成に成功したと発表。24年までに計3個の合成を高い信頼性で確認した。
一方、露米チームは2004(平成16)年2月以降、露ドブナ合同原子核研究所で別の手法により合成したと発表。理研と比べ時期はやや早く、作った個数は圧倒的に多かったが、113番元素であることの裏付けが不十分と判断されたとみられる。
露米は115番、117番、118番も発見したと主張し、審査されている。
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【用語解説】113番元素
原子番号(陽子の数)が113の元素。周期表ではアルミニウムなどと同じ13族に位置付けられる。理化学研究所は線形加速器を使って亜鉛の原子核を光速の10%まで加速し、ビスマスの原子核に衝突させて合成した。陽子と中性子の数を合わせた質量数は278で鉄の約5倍重い。不安定で寿命は千分の1秒以下と短く、化学的な性質は分かっていない。