今季の前半まで米大リーグを取材していたため、今でも自分のメールアドレスには各球団からのプレスリリースが届く。年末のこの時期になると、それらに混じってクリスマスメールも送られてくる。
今季は動画付きのメールを送ってくれる球団が多い。だが、どこの球団も「Merry Christmas」という表現を使っていない。代わりに「Happy holidays」とか「Season’s Greetings(季節のごあいさつ)」という表現が使われている。
マーリンズの場合、メールに添付された動画を再生すると、マッティングリー新監督とスタントンら主力選手たちからのメッセージが流れるのだが、ここでも皆「Happy holiday season and happy new year」といっている。バックではしっかりクリスマスソングが流れているのだが、誰ひとり「Merry Christmas」とはいわない。
クリスマスはあくまでキリスト教の祝日であって、その習慣を他宗教の人に押しつけるのはよくないという考え方が近年、米国では主流になってきているからだという。個人レベルではよくても、公の場で「Merry Christmas」と表現するのは、ポリティカル・コレクトネス(政治的な中立・公正)に反するのだそうだ。