ジャイアンツからフリーエージェント(FA)になった青木宣親外野手(33)が、マリナーズと1年契約で合意したことが2日(日本時間3日)、明らかになった。マリナーズは青木の安定した打撃と出塁率に期待しているが、最大の問題は身体検査をパスするかどうかだという。
地元紙シアトル・タイムズは「マリナーズに出塁率の高い守備のいい選手が入ってくる」と歓迎した。ただ、「問題は身体検査。通常は簡単にパスするものだが、青木の場合は頭に死球を受けたあと、脳振とうの後遺症で終盤を棒に振っているから深刻だ」とした。
メジャー4年目の青木は8月9日のカブス戦でアリエタ投手から頭部に死球を受け故障者リスト(DL)入り。8月20日に復帰し13試合に出場したが、後遺症に悩まされ、9月はじめに脳振とうの専門医に診察を受け、その後、戦列に戻らなかった。結局、93試合の出場にとどまり、打率・287、5本塁打、26打点、14盗塁だった。
青木の代理人は11月になって、「もう大丈夫。脳振とうの後遺症は全くない、彼は100%だ」と太鼓判を押したが、ジャイアンツは再契約に応じなかった。青木の年齢と脳振とうによる後遺症を危惧して慎重になったといわれた。
一方、マリナーズは今季、主に右翼を守り打撃3部門でチームトップのクルーズ外野手を来季は指名打者としての起用を検討中。チームは低迷が続いているが、来季に向けてゼネラルマネジャーや監督を一新し、再建を目指している。マリナーズの右翼は、イチロー外野手(42)=現マーリンズ=が2001年から2012年夏まで守り、「エリア51」と呼ばれた守備位置だ。
移籍が決まれば、青木にとってはマリナーズは大リーグで4球団目の所属チームとなる。また、マリナーズは先発として4年間在籍し、FAとなった岩隈久志投手(34)との再契約も目指している。