TPPで日本以外の参加11カ国は農林水産物の関税を平均98・5%の品目で撤廃するため、日本にとって輸出拡大の弾みとなる。対策ではコメや牛肉、青果物など品目別に戦略を策定する方針を明記。政府・与党は産地別に支援する従来の輸出促進策から、国内の農林水産業や外食、食品を一体として展開する方針に転換し、オール・ジャパンで市場開拓を目指す。
牛肉では主な輸出先の米国が15年かけて関税を撤廃する。米国市場で安価な豪州産などとの価格差が縮まり、高品質の「和牛」をブランドとしてアピールする機会が広がる。米国は日本酒の関税を即時撤廃するため、政府・与党は「日本食」の人気を活用して、外食などと連携した売り込みも後押しする。
政府は平成32年に農林水産物・食品の輸出額1兆円を目指しているが、26年は6117億円にとどまる。