政府の経済財政諮問会議が11日開かれ、民間議員は「名目国内総生産(GDP)600兆円」達成に向けた政府の緊急対策に対する提言をまとめた。企業による大幅な賃上げや設備投資の拡大を求める内容で、GDPの6割を占める個人消費を刺激し、経済の好循環を狙う。安倍晋三首相は「見返り」として法人税の実効税率を「早期に20%台に引き下げる道筋をつける」と表明した。
首相は会議で「民間需要の持続的成長のため、企業収益を設備投資や賃上げに結びつけることが不可欠だ」と訴えた。
政府は民間議員の提言をたたき台に今月下旬、「1億総活躍社会」実現のための緊急対策をまとめる。
提言では、GDP目標の達成に必要な名目成長率3%と同水準の大幅な賃上げを求めた。後押しするため、政府による生産性向上支援の必要性も主張した。
女性、若者などの雇用増も求めた。専業主婦の年収が130万円を超えると社会保険料増加で手取り額が減る「130万円の壁」を解決するため、補助金支給などで主婦の労働意欲を高めるべきだとした。