頭部死球の後遺症は契約にも響いたのかもしれない。ジャイアンツは4日(日本時間5日)、青木宣親外野手(34)との来季年俸550万ドル(約6億7000万円)での契約オプション(選択権)を行使しないと発表した。解約金(バイアウト)として70万ドル(8500万円)が支払われてフリーエージェント(FA)となり、ジャイアンツとの独占交渉期間(現地6日まで)を過ぎると他球団との契約が可能となる。
当初は球団がオプションを行使するとみられていただけに、地元ファンはツイッターなどで「意外だった。青木は必要な選手ではないか」などとの声も上がった。今季は93試合に出場し、打率・287、5本塁打、26打点、14盗塁。確実な打撃と出塁率を評価されて左翼の定位置をつかんだが、8月に頭部に死球を受けて脳振とうの後遺症に苦しんだ。
すでに体調は回復していることから、エバンスGMは今回の決断は青木の故障とは関係がないことを強調。「タイミングが良くなかっただけだ。投手陣の補強が優先で、左翼手を先に決めると資金的な柔軟性がなくなる。しかし、青木を呼び戻すことにも興味を持っている」と条件を変更して再契約する可能性も残した。
一方、米NBCスポーツは「球団は高評価をしていたが、不運なことに故障と34歳という年齢もあってオプションを行使しないことを決めた」と報じている。やはり頭部死球の影響は少なからずあったということだろう。