就活戦線異状あり-。大学生の選考開始時期をめぐり、経団連が2年連続で日程変更の検討に着手したことで大学側の反発を招いている。馳浩文部科学相は「朝令暮改」と批判し、大学や短大などで作る就職問題懇談会は4日、「学業への支障」などを理由に反対声明を公表した。政府は同日、経済団体や大学が参加する実務者会合を開いたが、双方が歩み寄れるかは不透明だ。就活の選考開始をめぐる最適解は見つかるのか。
「本年度の検証を踏まえた大学側と経済界の意見交換を経ず、結論を出すことは避けてほしい」。大学などでつくる就職問題懇談会(座長・吉岡知哉立教大総長)は4日、来年度の就職活動日程の見直しを検討している経団連などに対し、改善策を取ることを前提に、来年度も現行通りとするべきだとの要請文書を出した。
企業による選考活動の解禁時期は今年、4月から8月に繰り下げられたばかりだが、経団連は来年に向け、6月に繰り上げる方向で検討している。懇談会は「授業への出席など学修時間の確保に支障をきたす恐れがある」と指摘。教育実習や卒業論文、留学の日程調整などで「学生に大きな影響と不安を与えることになる」とした。
先輩を参考にできず
選考開始時期の変更で大学側にも戸惑いが広がる。
「1年前の先輩の経験を参考にしづらい部分が出てくる。今の3年生も、いつ何をすればいいかというイメージがつかめない」。明治大の福田敏行・就職キャリア支援部長はこう話す。