過熱する一方の舌戦。果たして残留組、新党組のどちらに軍配が上がるのか-。
昨年末の衆院選で維新が獲得した比例票は約838万票。知名度の高い橋下氏を筆頭に「維新」という看板で選挙を戦った結果、多くの元民主党議員は選挙区で敗れても復活当選を果たした。松野氏もその一人だ。橋下氏にとっては「誰のおかげで議員バッジをつけられたのか」という思いが強い。
これに対し、残留組の柿沢氏はこう主張する。「離党する人たちが自分たちで行動を起こしながら『党名を返せ』とか『お金を渡せ』とかあり得ない。われわれの側に何かをお譲りする大義はどこにも見当たらない」
ただ、残留組にとって頭の痛いのが政党交付金などが入金される口座の印鑑と通帳を新党組が握っていること。今の維新は「党本部は大阪市」と総務省に届けているからだ。残留組の松木謙公幹事長代行は16日、今井氏の指示で大阪に出向き奪還を試みたが、「渡せない」と拒否されている。
まるで税金の分捕り合戦。自民党関係者は「銭ゲバだろ、みっともない」とせせら笑う。これに嫌気が差し、世論に敏感な橋下氏が維新解党と政党交付金の国庫返納を言い始めたわけだ。橋下氏は10月1日の記者会見で、こう言い放っている。
「カネと名前がほしいなら全部くれてやったらいい。カネにがめつい人は、じきに消滅する」
その予言通り解党するのか。24日に「OB会」と揶揄される注目の臨時党大会が開かれる。
(政治部 岡田浩明)