罵り合いが激しくなったのは10月14日以降だ。今井氏が同日夜の記者会見で新党組の国会議員・地方議員ら165人の大量除籍を発表したからだ。今井氏は「接点が見つからなかった。断腸の思いで決めた」と強調。執行部を含めた残留組と新党組による円満な離婚協議が行き詰まり、決裂した瞬間だった。
そもそも先手を打ったのは新党組だった。今井氏の除籍発表会見の2時間前。新党組の片山虎之助参院議員と馬場伸幸前国対委員長が国会内で記者会見し、松野氏は党大会の決定を経ずに代表任期を延長したとして「代表の効力は失われている」と主張。その上で、松野氏に代わる新執行部を選ぶため、臨時党大会を24日に大阪市内で開催することを表明した。
新党組は所属議員数に応じて政党交付金を受け取ることができる「分党」を主張してきたが、残留組に受け入れられず、ついに「交渉相手の現執行部を認めない」という奇策を繰り出し、これに慌てた現執行部が対抗措置として大量除籍に踏み切った格好だ。
当然、残留組は臨時党大会の開催も認めておらず、ある幹部は「24日の大会は単なる除籍メンバーらによるOB会だ。任意の大会で決めた代表は代表ではない」と吐き捨てる。柿沢未途前幹事長もこれまでのツイッターで「橋下氏が(24日の)『なんちゃって党大会』で維新の党を勝手に解党するとわめいている」「無理が通れば道理が引っ込むなら真っ暗闇だ。絶対に認められない」などと指弾した。
橋下氏もすかさずツイッターで反論した。「維新の党の東京の国会議員は臨時党大会は無効だとかいろいろ言っていますが、10月1日以降、維新の党には代表も執行部も存在しない無政府状態。維新の党はもはや政党ではありません」