■ポストシーズン ナ・リーグ地区シリーズ第4戦(13日=日本時間14日、5回戦制) カブス(ワイルドカード)-カージナルス(中地区)
カブスがカージナルスに6-4で勝ち、3勝1敗で12年ぶり4度目のリーグ優勝決定シリーズに駒を進めた。名将の誉れ高いカブスのジョー・マドン監督(61)は、若手選手に人望があり、メジャーの常識を破る変幻自在な采配をみせてきた。極端な守備シフトを積極的に採用し、投手を8番、中心打者に1番を打たせるなど策士ぶりはつとに有名だ。
今シリーズも初戦を取られたあと、第2戦の2回に連続スクイズを敢行して逆転勝ちにつなげ、シーズン100勝を挙げたカージナルスの勢いをストップさせた。大リーグでは試合序盤のスクイズは珍しい。
カブスは1945年を最後にワールドシリーズに出場できず、「山羊の呪い」にたたられているといわれている。ヤギを連れてリグリー・フィールドに入場しようとして断られたファンが、「2度とここでワールドシリーズが行われることはない」と言ったあと呪いが続いているとされる。
魔術のような采配をみせるマドン監督は、日頃から「呪いなど気にかけない」と言っているが、実はそうでもないようだ。地区シリーズ開幕前日、記者団に「明日が金曜日だということは選手に言わないでくれ」とクギを刺したことがあった。
今季のカブスは曜日別の勝敗に偏りがあり、日曜16勝11敗。以下、月11-5、火17-9、水13-13、木11-5、金13-14、土16-8で金曜日だけ5割を切っているのだ。案の定、9日金曜日の第1戦は落としてしまった。シカゴ・サンタイムズ紙は「実はジョー・マドンは結構迷信を信じている」と報じている。
カブスが最後にワールドシリーズを制したのは1908年。呪いを解いて107年ぶりの優勝に導くことができるだろうか。