産経抄

兼好はクーラーを使わない 9月2日

 雨が降ったり、やんだり、ここしばらくお日様を拝んでいない。残暑を経験しないまま、秋を迎えそうだ。あの猛暑は、なんだったのだろう。

 ▼『徒然草』の吉田兼好も平成によみがえれば、エアコンを利用するはずだ、とコラムに書いたのは20日ほど前である。すると、反論の手紙をいただいた。日本の伝統的な住まいは、高温多湿の風土から、人々の健康を守ってきた。兼好も、土や草、紙の自然素材でできた家に住んでいるかぎり、エアコンなしで快適に暮らせるはずだ、というのだ。

 ▼送り主は、左官を生業(なりわい)として50年、茨城県左官工業連合会長も務める、根子(ねこ)清さん(71)である。「ひやひやと壁をふまえて昼寝哉(かな)」。確かに、松尾芭蕉も土壁の涼しさを詠んでいる。湿気を吸い取る土壁は、梅雨や秋の長雨の時期こそ、真価を発揮する。

 ▼左官の呼称は、平安時代、壁を塗る職人が宮中に出入りするために授けられた官位に由来するとの説がある。とにかく、古くからある職業だ。もっとも、根子さんによると、昭和50年ごろから建築の工業化、工法の省力化により、塗り壁が激減してきた。最盛期には、30万人いた左官は今やわずか5万人にすぎず、平均年齢も60歳を超えているという。

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