ゴルフは「人生の縮図」である。我慢と忍耐、順風のときもあるが、長く続かない。6月21日に閉幕したゴルフの全米オープン選手権は開場8年のチェンバーズベイ(米ワシントン州)で開催された。海沿いのリンクスコースで、風に加え、硬くてデコボコのグリーンに起伏の激しいフェアウェーに選手は悩まされた。さらにくつろげるクラブハウスはなく、特設のプレハブで代用。およそ苦虫をかみつぶしたような表情でラウンドし、何かに呪われたかのような印象すらあった。ゴルフの聖地・セントアンドリュースで開催される全英オープンが控える中、「メジャーとは何か?」の議論が噴出しかねない状況だ。
メジャー会場として「失格」の烙印
ワシントン州といっても東海岸ではなく、西海岸のシアトル北部、人口3万人程度の小さなまちのパブリックコースである。スコットランドから芝を持ち込んで、全英のようなリンクスコースを開設。林間コースでラフを深くするコースで開催されることが多いだけに、選手は想像していた全米とは戦略の立て方が違っていたようだ。
全米オープンなどメジャー9勝のゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)がテレビインタビューに「これまでの人生の中で一番不愉快なトーナメントだ。ここはパブリックコースであり、そんな会場は選手にとってハッピーではない」と疑問を呈したことで、選手の不満もクライマックスに達した。