「ぽっぽっぽ 鳩ぽっぽ」に原曲あった?本家本元がミュージックチャイムに

 青山学院大元教授で幼児教育の研究者、森上史朗さん(83)は「童謡は作詞・作曲が不明なことが多いが、『鳩ぽっぽ』などははっきりとしており、それだけでも貴重」と話す。

 ◆同じ鳴き声記載

 昭和37年、JR新宮駅前に「鳩ぽっぽ」の歌碑が建立され、くめは名誉市民になった。だが、この童謡を知る人は地元でも少数派という。

 実は、幼稚園唱歌が刊行されてから10年後の明治44年、当時の文部省が尋常小学生向けに「文部省唱歌」を編纂(へんさん)した。そこには、くめ作詞・滝廉太郎作曲の「水あそび」「お正月」などは採用されたが、なぜか「鳩ぽっぽ」は入らず、歌い出しやメロディーが微妙に異なる「鳩」が作詞、作曲不詳として掲載された。

 児童文化研究家の上笙一郎(かみしょういちろう)さんと、妻で作家の山崎朋子さんが共著した「日本の幼稚園」(ちくま学芸文庫、平成6年刊)は、「鳩ぽっぽ」に出てくる鳩は、「クウクウ」と鳴く家鳩であるはずなのに、なぜか「ぽっぽ」と鳴く山鳩の鳴き声にしていると指摘。

 文部省唱歌「鳩」にも同じ鳴き声が歌詞に含まれていることから、くめの「鳩ぽっぽ」をまねたとしている。

 ◆歌詞変更を我慢

 このことについて、くめはどう思っていたのか。

 新宮市立図書館が平成9年に発行した地域文化誌「熊野誌」に、くめの義理の娘にあたる由比照子さんの証言が掲載されている。

 それによると、「♪ぽっぽっぽ~で始まると、鳩ぽっぽだか、汽車ポッポだかわかりゃしない。だから、はじめから♪鳩ぽっぽ~と歌い出しているんだよ」と生前のくめが説明し、歌詞が変わってしまったことを残念がっていたという。

 その一方で「文部省の歌が出たとき、よっぽど文句を言おうと思ったけれど、私が騒ぐと誰か若い人が傷つくだろうし、その人の一生に影響すると気の毒だから我慢した」と語っていたことも明かしている。

 くめは晩年を過ごした大阪府池田市でも市文化功労賞を受賞し、顕彰碑も建てられている。90歳まで現役のピアノ講師として働き、かくしゃくとしていたというくめは、その作風と同様に心のやさしい人だった。

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