(10日、米ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC=7435ヤード、パー72)
21歳の新鋭が想像以上の強さをみせている。初日に64で回って単独首位に立ったスピースは、2日目も6アンダー、ノーボギーの66で回り、通算14アンダーまで伸ばした。第2ラウンドまでの大会最少スコア記録を1打塗り替えた。2位に5打差をつけ独走態勢に入った。
おとなしそうな風貌だが、落ち着き払ってときどき笑顔をみせる余裕もある。ショットが曲がらず、着実にグリーンを捕らえ、5メートル前後のバーディーパットが次々とカップに吸い込まれた。正確なグリーン上の読みはまるでベテラン選手のようだ。
2日間36ホールの130はレイモンド・フロイドの131を抜いてマスターズ史上初。メジャー4大会全体でも130は過去にニック・ファルド(英国、2012年全英オープン)ら3人が記録しているだけだ。
それでもスピースは「この2日間に起きたことや歴史は、優勝できなければ何の意味もない」と気を引き締めた。
マスターズ最年少優勝記録はタイガー・ウッズの21歳3カ月(1997年)。この記録に次ぐ21歳8カ月での優勝は現実味を帯びてきた。
スピースはウッズと同様に全米ジュニア・アマチュア選手権のタイトルを獲るなど次世代のスターとして期待を集めてきたが、予想以上に早くその実力を開花させようとしている。