後半は腹ぺこだった。首位に1打差の2位で好発進したプロ3年目の藤田が、ちょっとしたミスを打ち明けた。
「朝食はしっかり食べたのですが。つまむものを忘れて、途中でおなかがすいちゃいました。終わったら食べようと思って回りました」
普段は空腹に備え、好物のチョコレートやパンなどの軽食をバッグにしのばせている。この日は、用意するのを忘れてしまった。
だが、腹ぺこだったはずの後半でスコアを伸ばした。8番(400ヤード、パー4)では残り170ヤードの第2打を5Iでピン50センチにつけて、この日5つ目のバーディー。後半だけで3つのバーディーを奪った。
2年目の昨年は賞金ランク38位に入ったが、夏にイップスに陥った。アドレスで手が震え、パットやショットをどう打ったらいいのかが分からなくなった。ゴルフをやりたくなくなったという。8月の「meijiカップ」の後は出場13試合で8度の予選落ちを喫した。
転機となったのは、12月の関係者主催のコンペだった。「2週間クラブを握らずに参加したら、楽しかった」。精神的な重荷がなくなった。1月のグアム合宿では自身が納得するまで打ち込み。本来の姿を取り戻した。
「あすから天候も悪くなるみたいなので、我慢になる。スコアを落とさないように」