正論

蛮行は日本の生き様への挑戦だ

事件から汲み取るポイント

 こうした事態は日本にとって対岸の火事ではない。今、日本人が考えるべきことは、この事件を政争の具とするのではなく、事件から正しい教訓を汲(く)み取り、さらなる人質事件発生を未然に防ぐためにも、長年の懸案であった宿題を処理することではないか。

 いくつか重要なポイントを挙げよう。第1は、先に述べたテロのグローバル化現象を踏まえ、日本内外の日本人・日本企業の安全確保について今一度再点検することだろう。今回の事件はシリア国内で起きたが、将来、これが東南アジアや日本国内で起きないとはもはや言えなくなったからだ。

 第2は、国際レベルの情報分析能力を備えた対外情報機関を、既存の官僚組織の枠の外に、早急に設置することだ。現在の外務・警察の官僚的発想だけでは、国際的に通用するインテリジェンス・サービスなど到底作れないと思う。

 第3は、国家安全保障会議(NSC)と危機管理の分業体制を改めて構築することではないか。今回のように邦人保護・危機管理と、国家安全保障が幾層にも交錯する事件こそ、オペレーションと政策立案実施を分けて立体的に実務を処理すべきだからだ。

 冒頭に述べたとおり、今回の事件は戦後70年間の日本人と日本国家の生き様に対する挑戦だ。悲劇を風化させてはならない。(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・宮家邦彦)

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