県は平成26年度の県政世論調査の結果を公表し、「県民の9割は県に愛着を持ち、さらに8割が県に誇りを持っている」と発表した。どちらの項目も昨年を上回り、「県のイメージアップ戦略が効果を上げている」(県広報広聴課)と胸を張った。民間調査会社の調査で魅力度が最下位に低迷する茨城県だけに、一見喜ばしくはあるが、調査結果の解釈や質問項目には疑問も残る。
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調査は昨年7、8月、県内に住む20歳以上の男女1500人を対象に実施。回答率は74・1%だった。
9日の発表では、県に対する愛着の有無を問う設問に、「持っている」「どちらかといえば持っている」を合わせて、県民の90・2%(前年87・5%)が愛着を持ち、前年よりも郷土愛が高まっている。
ただ、「持っている」と積極的な回答は前年の47・4%から35・3%へと減少。「どちらかというと…」という消極的な回答は前年の40・1%から54・9%へと増加した。
県に対する誇りを問う設問でも「持っている」「どちらかといえば持っている」を合わせると81・7%(同71・7%)と高い値を示した。が、こちらも「持っている」という積極派は26・8%から22・3%へ減少。「どちらかといえば…」という消極派は44・9%から59・4%へと増加した。
記者発表で、積極派が減り、消極派が増えたことを質問されると、広報広聴課は「『持っている』と『どちらかといえば…』の境界はあいまいで、毎年ブレがある」と説明。
また、愛着や誇りを持つところを問う設問があり、多くの選択肢が用意されていたが、逆に愛着や誇りを持てない理由を問う設問はなかった。県民にさらに県への愛着や誇りを持ってもらうためには、なぜ持てないのか、その理由を分析する必要があるはずだが、質問項目からして結果ありきの「お手盛り」の感はぬぐえない。
「県のイメージは最下位なのに、愛着や誇りを持つ県民が多いのは、あまりにも内向きではないか。そうした危機感はないか」との質問もあったが、広報広聴課は「内向的ということはない。まず、県民が自分の良いところを知らないと、県外へのPRもできない」と、述べるにとどめた。(篠崎理)