殲31はF-35のコピーなどといわれるが、本家F-35がエンジン1基なのに対し、殲31は2基(双発)で、エンジン回りのデザインは大きく異なる。中国では本家のような大出力エンジンの製造ができず、ロシアの小型エンジン「RD93」を2基積んだのだ。
RD93はロシアのミグ29に搭載されているエンジンと同型で、決して性能が低いわけではない。公表されている数字で見れば、RD93×2基の合計推力がドライ(AB不使用の状態)で約170kN(キロニュートン)。
本家F-35のエンジンF135が同125kN。AB使用時でそれぞれ186kNと191kN。決してRD93×2基の推力は低くない。にもかかわらず「パワー不足」なのはなぜか。
これには単純にエンジンがプアで出力が不足しているのではなく、機体が本家より重すぎるゆえではないかとの指摘がある。加えて、飛行プログラムまで盗作できなかったのが原因では-との見方も浮上している。
逮捕された中国人スパイ
こうしたことを裏付ける事件も明らかになった。
アメリカ東部コネティカット州の連邦地検が今月10日、F-35に関する資料を盗み出したとして米国在住の中国人エンジニア、ユー・ロン容疑者を逮捕、起訴したと発表したのだ。