本紙前ソウル支局長起訴

異様な「タブー」を実感 言論の自由への狭量さ示した朴政権 前支局長手記

 たとえば、「被疑者の記事にある『レームダック』は政権交代期に、政治に一貫性がないことを意味する言葉だが、韓国の政治状況に対しふさわしいと思うか」の質問がそうだ。

 私が「日本では『レームダック』の言葉は広義で影響力が徐々に低下している状況も示す」と応じると、検事は「政権初期の韓国の政治状況にそのような表現は無理ではないか」とし、「混迷、不穏、レームダック化の単語から、政権が揺れているのだと認識される。このような(単語を使った)記事を報道したのは、韓国政府や朴槿恵大統領を誹謗するためではないか」とたたみかけてきた。

 10月2日の3回目の取り調べで、検事は「(セウォル号事故当日の)大統領の所在問題が(韓国内で)タブー視されているのに、それを書いたことをどう考えるか」と聞いてきた。

 私はこの言葉に強い違和感を覚えた。日本では毎日、詳細に公開されている国家指導者の動静がタブーだというのだ。禁忌に触れた者は絶対に許さないという政権の意思を如実に示す発言だった。

               ×  ×  ×

 韓国大統領府(青瓦台)で海外メディアを担当する報道官から抗議の電話を受けたのは、8月5日の夕方だった。

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