4人は県内の同じ中学を卒業した遊び仲間といい、県警は、4人がこの施設に繰り返し侵入した疑いがあるとみて調べている。
関係者によると、現場は少年らの「秘密の遊び場」になっていたという。少年らが見晴らしのよさを気に入って侵入し、キャンプをしたり、軽い気持ちで貯水槽の中に入ったりして遊んでいたらしい。
■テロ対策のマニュアルも
市は事件後、「テロによる水道水汚染事案にも繋がる重大な事態」として、昨年8月、発生時の通報や連絡手順、水道の緊急停止措置などを盛り込んだ「水道施設侵入事案等対応マニュアル」を作成するなど、防犯強化策に追われた。
対策には約1200万円を投入。市内47カ所の配水池と、浄水場から配水池に水を送るための加圧所29カ所全てに防犯カメラの設置を進めている。
少年らに破壊された点検口の南京錠は、真鍮(しんちゅう)製から、より固く切断しにくいステンレス製に交換した。ふたを留めるボルトも専用の道具がないと開かない特殊な形状に取り換えた。
さらに、約20カ所の配水池には防犯灯を設置したり草刈りしたりし、「秘密の遊び場」にならないよう目立たせた。警備会社の防犯システムも導入した。
しかし、地元住民からは、少年らが逮捕された今もなお「まだ不安だ」といった声が寄せられているという。少年の逮捕を受け、市上下水道局の松浦利彦施設部長は「対策をするだけで終わらせず、二度と問題が起こらないよう、気を引き締めていきたい」と話した。