甘口辛口

指導者に伴う大量離脱と移籍で揺れる高校駅伝界…爽やかさはどこへ

■4月3日

「駅伝のまち」として全国にアピールしている愛知県豊川市。県立豊川工高、私立豊川高と駅伝で知られる両校を抱えているからだが、どうも問題も多い。2012年には仙台育英高のケニア人留学生を含む10人が、東日本大震災の影響で練習コースが被害を受けたことを理由に豊川に大量転校した。

その年の全国駅伝男子で豊川は初出場でぶっちぎりの初優勝。「いくら何でもやり過ぎ」の声が強かった。今度は反対に全国常連校の豊川工から8人が転校した。転校先は、昨春体罰問題で退職した渡辺正昭前監督が1日付で赴任した東京・日体荏原高だった。

8人は同じアパートに住んでいて、退職後も学校外で指導していた渡辺氏の私塾となっていた。昔の徒弟制度のようで、世間は転職ついでに選手も連れていくような異様さを感じるのではないか。「それは誤解で、あくまでも渡辺氏の指導を受けたいという本人と保護者の意志」と豊川工の古井成之教頭は話す。

転校後6カ月未満は夏の全国高校総体には出場できないが、駅伝には間に合う。ルール的には問題ないにしても道義的にどうか。残された豊川工の選手には同情を禁じ得ない。昨年は全国駅伝に駒を進めたが、現在は男子が2~3年生でぎりぎりの7人、女子は1人になってしまった。「健気に練習はしていても心境は複雑だと思う」と教頭。

センバツでは初出場の豊川が、全力疾走と諦めない「豊川野球」でベスト4入りし、地元を沸かせた。それに比べ、高校スポーツらしからぬ大量転校が続いた駅伝のイメージダウンは避けられない。「駅伝のまち」改め「野球のまち」に、との声も上がったというのも無理ない。 (今村忠)

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