〈その評判は国内にとどまらず、この業界で最高の賞の一つとされる米国電気電子技術者協会(IEEE)名誉会員に選ばれるなど海外にもその名は知れ渡る。日本の電機メーカーの現状はどのように映っているのだろうか〉
電卓から液晶技術が生まれ、それが薄型の液晶テレビとなって世界で注目されましたが、時は移ります。いま、日本の電機各社が4Kテレビ、さらに8Kテレビなど新製品を出そうという姿勢は評価します。ただ、テレビのニーズはどのへんにあるのでしょうか。現実には韓国や中国のメーカーが、一定水準の品質で値段を下げた製品を世界中に売りまくっています。テレビや家電が品質だけの勝負ではなくなっていることに対し、日本はどのような対応をしたらいいのでしょうか。
「人にまねされる商品」をつくっていたものの、その「まね」のスピードがものすごく速くなりました。開発にかけた資金を回収するのも難しい時代です。「共創」の精神は大切なのですが、それもルールあってこその世界。それを重んじない相手には、簡単にまねできない商品で対抗するしかないのかもしれませんね。(聞き手 大家俊夫)