ものづくり「ニッポン」の潜在力証明 OECD「国際成人力調査」

 OECDが実施した「国際成人力調査」で日本の国別平均点がトップになったことは、長引くデフレ不況からの脱却を目指す上でも、大きな自信になるといえるだろう。なかでも注目したいのが、日本経済の基盤を下から支える労働者の能力の高さだ。

 今回の調査は、学力や知識ではなく社会適応能力が測られた。ただ、日本人が苦手とする「コミュニケーション能力」などの調査項目はなく、それが好成績につながったともいえる。とはいえ、今回の調査がものづくり日本の潜在力を証明したのも事実だ。OECDは調査報告書の中で、各国の労働者の適応能力について触れ、日本のブルーカラーの読解力は多くの国のホワイトカラーと同程度以上だと評価した。こうした生産現場で働く労働者の能力の高さが、農産物を含めた「日本製」の安全性や高品質に結びついているのは間違いない。

 一方、IT教育が十分とはいえない日本の弱点も浮き彫りになった。

 今回の調査は、IT化が進む社会経済を考慮し、原則としてパソコンを使って行われたが、日本の調査対象者の4割近くがパソコンを使えないなどの理由で筆記で回答したからだ。社会経済のIT化とグローバル化が急速に進む中、国民がITにある程度習熟していなければ、トップレベルの成人力は維持できないだろう。民間も巻き込んだ教育の情報化が求められている。(川瀬弘至)

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