獣医療の進歩やペットフードの進化などでペットの寿命は延びている。ペットフード協会(東京都千代田区)によると、平成24年の犬の平均寿命は13・94歳、猫は14・45歳。外に出ない猫の場合は15・74歳だ。
◆一人で悩まずに
高齢になった犬や猫に待つのは介護の問題だ。
「ペットの介護も人と同じ。自分の生活を削って介護を行うと、心がすさんでしまう。飼い主が楽にならないと犬にも優しくできない」。ペットの介護サービスを提供するペットケアサービスレッツ(江戸川区)の三浦裕子社長はこう話す。
同社はしつけ教室のほか、1日預かりや訪問ケアなど老犬介護のサービスを提供。利用者は30~70代と幅広い。日中仕事をしている人や介護に疲れて少し休みたい人などがよく利用するのがデイケアだ。高齢で要介護状態の犬でも利用できる高齢犬向けのホテルも用意。自宅介護用のケアプランも提案してくれる。
老犬介護を担当する伊藤みのり副社長は「老犬の介護はこれからの分野。一人で抱え込まず、相談してほしい」。
飼育が難しくなった場合、動物愛護団体やシェルターに引き取ってもらうなどの選択肢がある。
千葉県大多喜町のシェルター「NPO法人ワンパーズ」に5月末に引き取られた13歳のビーグル犬。飼い主は東京都内の70代の女性だった。マンションに1人暮らしだったが、病気で長期入院が決まった。「安楽死も考えたが、かわいそうでできない。他に手段があるなら…」と考えた。
ワンパーズ理事長の池田豪さんは「犬が悪いわけでも飼い主が悪いわけでもない。ただ、飼い主、ペットがともに高齢化する中で保護活動をしないといけない状況がある」。