関西歴史事件簿

坂本龍馬暗殺(下) 背景に「武器密輸利権」? 実はワルだった龍馬、黒幕に「桂小五郎」「グラバー」の名 

 「日本を今一度せんたくいたし申候(もうしそうろう)」。坂本龍馬が京都・近江屋で殺害される4年少し前の文久3(1863)年6月、姉・乙女に宛てた書状の中にこういった一文が書かれていた。

 攘夷(じょうい)に燃える長州藩の攻撃で傷ついた外国の軍艦を修理する幕府の弱腰を嘆いた龍馬が朝廷の下で幕府官僚を討ち、再び美しい日本を取り戻そうという決意を述べたものだった。

 師と仰ぐ勝海舟と立ち上げた神戸海軍操練所の廃止後、龍馬は長崎で商社を設立すると、英・グラバー商会を介して大量の銃弾を密輸。これをもとに犬猿の仲だった薩摩、長州両藩を結びつけた。

 そして両藩の強力な兵力を背景に幕府に政権を朝廷に返上させる大政奉還を迫る。幕府からすれば、武器密輸の主犯に屈したことになるから、相当に恨んだことだろう思われる。

 また、大政奉還直前の10月に龍馬が入京した際に噂が噂を呼び、数百人の海援隊を引き連れて-とデマが飛ぶ。これでは京都の治安が守れないと、京都守護職の松平容保(かたもり)も危機感を抱いただろう。

 だが当時、幕府で重役を担った勝や松平春嶽(しゅんがく)と深いつながりをもつ龍馬を簡単には襲えない。浪士集団の新選組が手出しできなかったのは、そのためだったともされている。

 一方、旗本の子弟が集まる京都見廻組は襲うだけの格はあった。メンバーの自供もあり、容疑者として有力視されてはいる。だが、自分が主犯か見張りかで二転三転するなど内容に信頼性に欠けるため、真犯人とまではいたっていない。

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