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中国、東シナ海のガス田に新施設 日本に迫る「軍事的脅威」

東シナ海のガス田開発をめぐり、中国が日中中間線の中国側海域に新たな海洋プラットホーム(施設)を建設していることが明らかになった。中谷防衛相は軍事拠点化される可能性に言及。中国の現状変更の試みは、日本の眼前に「軍事的脅威」として迫っている。

《東シナ海のガス田開発》
東シナ海のガス田は日本が日中間の排他的経済水域(EEZ)の境界線と位置付ける「日中中間線」付近に点在。中国は自国のEEZは沖縄トラフまで延びていると主張し、日本と対立している。中国は平成20年の日中共同開発の基本合意を反故にし、一方的にガス田開発を強行。ガス田が中間線をまたいで日本側に広がっている区域では、日本の貴重な資源が中国に奪われているとの懸念が出ている。

中国、東シナ海のガス田に新施設…日本は強く抗議

平成25年6月以降、日中中間線付近で海洋プラットホームを増設

菅義偉官房長官は7月6日の記者会見で、東シナ海のガス田開発をめぐり、中国が平成25年6月以降、日中中間線の中国側海域に、掘削のための新たな海洋プラットホーム(施設)を建設していることを明らかにした。

政府、ガス田開発に抗議 中国が東シナ海に新拠点建設

櫻井よしこ氏が指摘、プラットホームはこの1年間で12カ所に急増

中国側による新たなプラットホーム建設は、ジャーナリストの櫻井よしこ氏が産経新聞7月6日付朝刊の「美しき勁き国へ」で指摘。それによると、平成10年11月時点で4カ所だった中国のガス田開発は、昨年6月までに6カ所に増え、さらにこの1年間で12カ所に急増しているという。

【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】中国、東シナ海ガス田開発を急加速 机上の空論続ける政治家は猛省せよ

日本政府、中国の一方的な開発に繰り返し抗議…作業中止を求める

菅官房長官は6日、「一方的な開発を進めていることに対し、中国側に繰り返し抗議すると同時に、作業の中止を求めている」と述べた。岸田文雄外相も「繰り返し強く抗議するとともに、作業の中止を求めている」としている。

政府、ガス田開発に抗議 中国が東シナ海に新拠点建設

安倍首相も、昨年11月の首脳会談で習主席に直接抗議していた

安倍晋三首相は、昨年11月に北京で行った初の日中首脳会談で、習近平国家主席に直接、海洋プラットホーム増設について強く抗議していた。産経新聞の取材に複数の政府筋が明らかにした。

東シナ海ガス田開発 安倍首相が習主席に施設増設を直接抗議 昨年11月の首脳会談で

中国は反発「中国側の海域でのこと。日本側の抗議は道理がない」

中国外務省の華春瑩報道官は7日の定例の記者会見で、「関連する中国の活動は、完全に争いのない、中国側が管轄する海域でのことだ」と述べた。さらに「日本側が提起しているいわゆる『抗議』は全く道理がなく、中国側は日本側の理不尽な要求に応じることはない」と反発した。

中国 新ガス田開発「日本の抗議 道理なし」〔NHK〕

《日中中間線》

日本と中国それぞれの海岸線から等距離にある東シナ海の境界線。国連海洋法条約は海岸線から200カイリまでは排他的経済水域(EEZ)と認めているが、東シナ海は日中間の最短距離が400カイリ未満のため、日本は国内法に基づき中間線の東側をEEZに設定。中国側は沖縄付近まで張り出した大陸棚全域まで自国の権利が及ぶと主張し、境界は画定していない。

日本、新施設の「軍事拠点化」を懸念

防衛相、レーダー配備の可能性を指摘

中谷元防衛相は10日の衆院平和安全法制特別委員会で、中国が東シナ海のガス田に建設している新たな海洋プラットホームについて「安全保障の観点から利用する可能性は考えられる」と述べ、軍事転用されるケースとして「レーダーを配備する可能性がある」と指摘した。

東シナ海ガス田 中国の軍事転用に言及 防衛相「レーダー配備可能」

無人機やヘリコプターの展開拠点の設置も想定される

中谷防衛相は、想定される軍事利用の事例としてレーダー施設をはじめ、無人機やヘリコプターを運用できるヘリパッドの設置を挙げた。

東シナ海ガス田 日本安保揺るがす脅威 南西諸島「丸裸」に

「自衛隊の活動がこれまでより把握される」とも

中谷防衛相は、「東シナ海における中国の監視、警戒能力が向上し、自衛隊の活動がこれまでより把握される可能性があると考えている」とも説明。

東シナ海ガス田 中国の軍事転用に言及 防衛相「レーダー配備可能」

東シナ海の中国の石油ガス田=2006年3月、日中国境線付近(本社ヘリから、矢島康弘撮影)

東シナ海の中国の石油ガス田=2006年3月、日中国境線付近(本社ヘリから、矢島康弘撮影)

日中、再び緊張高まる可能性

中国、一方的に防空識別圏設定も「レーダー届かなかった」

中国は平成25年11月、尖閣諸島の上空を含む東シナ海に一方的に防空識別区を設定。しかし、防衛省幹部によると「彼らはレーダーの届かないところに設定してしまった」といい、中国の地上レーダーが捕捉できる範囲は限定的で、カバーできる範囲に一定の制約があった。

東シナ海ガス田 日本安保揺るがす脅威 南西諸島「丸裸」に

新施設を「レーダー基地」化、軍用機での威嚇を活発化させる恐れ

中国は東シナ海のガス田に建設している新たな海洋プラットホームを「レーダー基地」化することで、監視能力を向上させ、防空識別圏に侵入した航空機に対し、軍用機による緊急発進(スクランブル)などによる威嚇を活発化させる恐れがある。

日中間、再び緊張高まる可能性…東シナ海新施設〔YOMIURI ONLINE〕

日中関係、首脳会談実現で改善傾向も…再び緊張が高まる可能性

日中関係は、昨年11月と今年4月、安倍首相と習近平国家主席の首脳会談が実現するなど、改善傾向にあったが、今回の問題で再び緊張が高まる可能性もある。

日中間、再び緊張高まる可能性…東シナ海新施設〔YOMIURI ONLINE〕

南シナ海でも同様の事例

中国が岩礁を埋め立て、滑走路を建設するなど軍事拠点化

中国が周辺国と領有権を争う南シナ海のスプラトリー諸島では、中国が岩礁を埋め立て、滑走路を建設するなど軍事拠点化を急いでいる。中国は工事の即時停止を求められながらも、国際ルールに従うことなく埋め立てを強行してきた。

東シナ海ガス田 日本安保揺るがす脅威 南西諸島「丸裸」に

日本は中国の動きについて情報公表へ 国際世論を形成し牽制する狙い

政府は、中国が同じ東シナ海の尖閣諸島周辺で公船による領海侵犯を繰り返していることから、軍事的緊張を高めないよう抗議の公表は控えてきた。しかし、菅官房長官は10日、中国の海洋プラットホーム建設に関し「差し支えない範囲で公表することを考えていきたい」と述べた。国際世論を形成し中国を牽制する(外務省)という。

東シナ海ガス田開発 安倍首相が習主席に施設増設を直接抗議 昨年11月の首脳会談で

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