「保育園落ちた日本死ね!」の波紋…保活激化、子育て世代の怒り

都市部を中心に深刻化する待機児童。子供を預けられる保育所を探す“保活”は激化する一方で、とうとう「保育園落ちた日本死ね!」と、子育て世代の怒りが爆発。匿名で書かれたこのブログが、いま大きな反響を呼んでいる。

《待機児童問題》
認可保育所などへの入所を希望しても入れない「待機児童」は、2015年4月1日時点で2万3167人と7年連続で2万人を超えている。都道府県別では東京都が最多で、沖縄、千葉、大阪と続いた。待機児童の年齢別では0~2歳が全体の85.9%だった。

“保活”へ怒りの声、ネットで反響

「保育園落ちた日本死ね!!!」怒りの投稿に反響、いいね!3万超

2月15日、はてな匿名ダイアリーに「保育園落ちた日本死ね!!!」というタイトルの投稿が寄せられた。投稿主は、「何なんだよ日本。一億総活躍社会じゃねーのかよ。昨日見事に保育園落ちたわ。どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか」などと怒り爆発。これに続々と賛否のコメントが寄せられ、フェイスブックのいいね!は2日間で3万件を超えた。

保育園落ちた日本死ね!!!〔2016年2月15日 はてな匿名ダイアリー〕

「本当に同感」「これ偉い人みんなで読んだ方がいい」などの声

ブログでは、「保育園も増やせないし児童手当も数千円しか払えないけど少子化なんとかしたいんだよねーってそんなムシのいい話あるかよ」との批判も。一連の文章を読んだツイッターユーザからは、「正論」「本当に同感」「これ偉い人みんなで読んだ方がいい」といった声が寄せられている。

保育園落ちた日本死ね!!!〔2016年2月15日 はてな匿名ダイアリー〕

「受かったけどやっぱり日本死ね」との投稿も…保活のため偽装離婚も検討

また18日には、「保育園の第一志望受かったけどやっぱり日本死ね」という、別人の匿名投稿が。第一志望の認可保育所に入れたという投稿主は、入園点数を上げるため「偽装離婚」や「障がい者申請」も検討したと保活の壮絶さを詳しく紹介。

保育園の第一志望受かったけどやっぱり日本死ね〔2016年2月18日 はてな匿名ダイアリー〕

普通の保育園に娘を入れるだけで「一家総動員体制」

さらに、「なんで、たかが家の隣にある普通の保育園(高級私立でもなんでもない)に娘を入れるだけのことで、こんな一家総動員体制を敷かなきゃならねえんだよクズが!」と憤っている。

保育園の第一志望受かったけどやっぱり日本死ね〔2016年2月18日 はてな匿名ダイアリー〕

「制度自体がどこかおかしい」(“保育園落ちた”の本人とみられるツイート)

《入園点数》

多くの自治体では子供が認可保育所に入れるか、保護者の状況を「点数化」して判断。東京・渋谷区の場合、保護者が週5日以上1日8時間以上働いていれば満点の20点。すでに認可外などに預けて働いていればプラス2点、同居の親族がいるとマイナス2点など細かい加減も。合計点が高い順に「保育が必要」と判断される。

News Up “保活”への怒り その背景は〔2016年2月19日 NHK〕

これに対し、都議や保育関係者も反応

「怒りましょう。社会保障の危機は将来、我が子を直撃する」(保育所経営の駒崎弘樹氏)

都内で小規模認可保育所を運営するNPO法人の代表、駒崎弘樹氏は17日、「保育園落ちた死ね」のブログについて、「怒りましょう。僕たちは怒って良い。このままだと少子化も進行し社会保障も危機になり、それは将来、可愛い我が子たちの生活を直撃するでしょう」と述べた。

「保育園落ちた日本死ね」と叫んだ人に伝えたい、保育園が増えない理由〔2016年2月17日 駒崎弘樹公式サイト〕

しかし、「子育て世代の怒りは持続しない」とも…

駒崎氏はまた、「子育て世代の怒りは持続せず、よって運動は継続しない」とも指摘。保育園に入れない、などの悩みは子供の成長とともに数年で消えるため、継続的に運動するには「当事者じゃなくても運動に手を貸す」べきと提唱する。

政治が子育て層を簡単に無視できる、投票率以外の大きな理由〔2016年2月19日 駒崎弘樹公式サイト〕

「子育て世帯にクーポンを給付すれば良い」(音喜多駿都議)

東京都議会議員の音喜多駿氏は、具体策として「保育・子育て関連のみに使えるバウチャー(クーポン券のようなもの)を子育て世帯に一律で給付すれば良い」とする。ただし、この政策転換を図るには、子供を預ける側が「ベビーシッターなんて危険」「公立の施設が安心安全」といった考えを変えることが必要になるという。

「保育園落ちた日本死ね」って言われたけど、保育園をつくるべきではない理由〔2016年2月16日 音喜多駿公式サイト〕

厳しい保活の現実

「潜在的待機児童」は185万~345万人との試算

厚労省によれば、認可保育所に入れない待機児童数は2.1万人(2014年4月現在)。しかし認可外に通う子供など、何らかの保育サービスを必要とする「潜在的待機児童」は185万~345万人との試算もある。

「待機老人52万人・待機児童2万人」そんなわけないだろ…〔2015年6月6日 ポストセブン〕

0歳~3歳児の母親3人に1人が保活…待機児童回避のため、0歳から預ける人も

オウチーノ総研が昨年行った調査では、0歳~3歳児の母親の3人に1人が保活を行ったと回答。保育園に入るために「勤務時間を伸ばした」という声が多かった。また、0歳から預けないと待機児童になる可能性があった、などの理由で「職場復帰を早めた」といった回答もあった。

「保活」に関する実態調査

「泣き崩れたら入れてくれた」という保活都市伝説まで

ネット上では「担当窓口で泣き崩れたら入れてくれた」「嘆願書を送ると有利になる」といった「保活都市伝説」まで飛び交っている。

就活以上に面倒くさい「保活」攻略法が話題に〔2016年2月19日 キャリコネ〕

《認可保育所》

認可保育所には公費が補助金として投入されており、保育料が認可外より安い。国の厳しい基準を満たし部屋や園庭が広く、職員数も充実。認可外ではビルの1室に設置されているような施設が多く、事故なども多いため、認可保育所に預けたいととなるのが現状だ。

42歳母たちの「保活」〔2014年7月10日 時事通信〕

国の対策は

直近の「合計特殊出生率」は1.42…人口維持に程遠い水準

1人の女性が生涯に産むと推定される子どもの数「合計特殊出生率」は、直近の2014年で1.42。人口を保つ目安は出生率2.07とされており、将来の少子高齢化は深刻な状況になっている。

「希望出生率1.8」とは言うけれど… 目標達成、険しい道〔2015年11月14日 日本経済新聞〕

「子ども・子育て支援新制度」で待機児童が多い0~2歳の保育対策

政府は、2015年4月から「子ども・子育て支援新制度」をスタート。従来の幼稚園・保育所・認定こども園に加えて、待機児童が多い0~2歳の子どもを少人数で保育する「地域型保育」を新設。市町村が関わり、安心して預けられる保育施設が増えた。

「子ども・子育て支援新制度」開始 待機児童解消・小規模保育に期待

「保育の必要性」の要件緩和、フルタイム勤務以外も対象に

また新制度では、保育施設を利用するための「保育の必要性」に関する要件を緩和。保護者の就労はフルタイム勤務を前提としていたが、パートタイム勤務や夜間勤務などフルタイム以外も対象に。さらに、起業準備や求職活動、職業訓練を含む就学、虐待やDVの恐れがあることも要件に加えられた。

ご存じですか?「子ども・子育て新制度」〔政府広報オンライン〕

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