心の病、過去最多…12月から義務化「ストレスチェック」って?

12月から従業員50人以上の企業に「ストレスチェック」の実施が義務付けられる。うつ病など精神的な不調を訴える人を出さないよう未然に防ぐのが狙いだが、どのようなものなのだろうか?

《ストレスチェック》
ストレスに関する質問表(選択回答)を労働者が記入し、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査。改正労働安全衛生法の施行によって、2015年12月から従業員50人以上の事業所に、年1回の実施が義務付けられた。

ストレスチェック、どんなもの?

ストレスチェックでは「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3つの領域について質問。厚労省作成の標準的な調査票(57項目)によると、「非常にたくさんの仕事をしなければならない」「時間内に仕事が処理しきれない」などの質問について、「そうだ」「まあそうだ」「やや違う」「違う」の4つから自分の心情に近いものを選ぶ。

質問表に答え、心身のストレス反応や職場環境などを総合的にチェックする

ストレスチェックでは「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3つの領域について質問。厚労省作成の標準的な調査票(57項目)によると、「非常にたくさんの仕事をしなければならない」「時間内に仕事が処理しきれない」などの質問について、「そうだ」「まあそうだ」「やや違う」「違う」の4つから自分の心情に近いものを選ぶ。

働くお父さんのストレスをチェック! 何のため?〔2015年10月28日 マイナビ〕

年1回実施が義務化。企業ではなく医師や保健師が実施し、結果は本人のみに通知

企業は1年に1度は従業員のストレス調査を実施し、その状況を労働基準監督署に報告することが義務化された。しかし、ストレスチェックは企業が行うのではなく、医師や保健師などの専門家に依頼して行う。結果は従業員に直接通知する仕組みで、本人の同意がなければ結果を企業に伝えることは禁止されている。

従業員のストレスチェック 12月義務化へ準備急ピッチ

高ストレスが判明したら、企業は医師による面接指導を行わなければならない

高いストレスを抱えていると判断された従業員に対しては面談指導を勧め、本人が必要性を認めた場合は医師など専門家が対応にあたる。企業はこれを受けて、職場の変更や就労時間の短縮など必要に応じた措置を講じることになる。

従業員のストレスチェック 12月義務化へ準備急ピッチ

義務化の背景に「心の病」の増加

「心の病」労災認定、過去最多497人に…うち99人が自殺図る

過労や職場の対人関係のトラブルから精神疾患にかかり、平成26年度に労災と認定された人が前年度比61人増の497人となり、昭和58年度の調査開始以来、過去最多となったことが今年6月、厚労省の集計で分かった。このうち、99人が自殺(未遂も含む)を図るなど深刻な状況にあった。

「心の病」労災認定、過去最多497人、うち99人が自殺図るなど深刻

うつ病などの気分障害の患者数は95万人、15年で倍に

厚労省の2011年の調査によると、うつ病などの気分障害の患者数は約95万8000人と15年前の2・2倍に増加した。日本人の約15人に1人が一生に一度はかかる、との研究もある。再発と回復を繰り返して長期化することも少なくない。

気分障害患者15年で倍 「家族会などで悩み共有を」〔2015年9月24日 日本経済新聞〕

「職場の改善に生かされれば制度導入の意義はある」と識者

東京大学教授の川上憲人さん(精神保健学)は、「ストレス度の高さとうつ病や自殺には関係があるという研究もある。多くの従業員が参加し、職場の改善に生かされればストレスチェック制度導入の意義はある」と話す。

企業にストレス検査義務…職場環境改善に生かす〔2015年1月20日 読売新聞〕

「心の病」は減るのか? 導入には課題も

同じ人でも日々変化するストレス、どの状態で受検すべき?

ストレスの感じ方は日々変化し、同じ人でもテストの受検タイミング次第で判定が変わる可能性がある。どんな受検条件が「日常的な」ストレス度合いを示すかは誰にもわからない、と産業医の武神健之さんは指摘する。

誰も教えてくれない「ストレスチェック制度」7つの真実

メンタルヘルスに対応できない産業医も…質の確保が懸念されている

厚労省は、ストレスチェックの必要業務は産業医等が行うのが望ましいとしている。しかし産業医は、第一線を退いたベテラン内科医らがバイト感覚で引き受けているケースもあり、質の確保が強く懸念されている。

ストレスチェックは成功するか(後編)〔2015年5月26日 読売新聞〕

準備を進めている企業は49%…「効果が見込めないのでは?」の声

人材サービス会社エン・ジャパンの調査では、ストレスチェック義務化への準備を進めている企業は49%(10月22日現在)。チェック後の結果が企業側に公表されないため、どのような対策をとればよいのか判断しづらく、多くの企業から「準備や実施の手間がかかるものの、効果が見込めないのでは?」という声が集まったという。

ストレスチェック義務化の準備を進めている企業は49%。ー2015年12月から義務化される「ストレスチェック」実態調査ー

ストレスチェックは「未然防止」の段階、企業にはさらなる対策が必要

ストレスチェックは、自らのストレス状況について気付きを促し、セルフケアや職場環境の改善につなげる一次予防(未然防止)の段階。企業はさらに、二次予防(メンタルヘルス不調の早期発見と適切な対応)、三次予防(職場復帰支援)までのメンタルヘルス対策体制を整える必要がある。

ストレスチェック制度の趣旨・目的について〔厚労省(pdf)〕

メンタルヘルス対策、先行する企業は

富士通、シニアスタッフが「職場づくり支援」…事情に詳しいが利害関係はないというメリット

富士通では、役職離任したシニアスタッフの中から「職場づくり支援スタッフ」を配置。職場の事情を知っているから、社員の悩みに対する理解度が高く、それでいて利害関係はないので、上司に相談しにくいこともフランクに話せるというメリットがあるという。導入前と比べて新規のメンタルヘルス不調者の人数は、漸減傾向にあるという。

うつ・ストレスから社員を守れ!不機嫌な職場を“ご機嫌な職場”に変える経営術〔2015年1月23日 DIAMOND online〕

ブリヂストンでは奥まった場所にカウンセリング室、組織診断も…1人あたりの休業期間短く

ブリヂストンでは、本社にカウンセリング室を設置し、仕事の悩みを相談に来た社員にカウンセラーがアドバイスする。部屋は奥まった場所につくり、外から分かりにくくした。調査票を使って職場の人間関係の問題などを聞く「組織診断」も4年前に始めており、青木健・労務部長は「今年上半期の1人あたりの休業期間は前年同期から約1カ月も短くなった」と手応えを口にする。

社員の健康、企業価値育む〔2015年11月1日 日本経済新聞〕

「働きがいのある会社」1位のボヤージュ、長時間残業ケアや運動会などでコミュニケーションも

IT企業のボヤージュグループは、従業員1000人未満の部門で2015年発表「働きがいのある会社」1位を獲得。長時間残業が続く人には産業医面談を実施、入社時にもストレス耐性を確認するなどの取り組みでメンタルの問題は確実に減少しているという。また、職場のコミュニケーションづくりとして運動会を毎年開催、本社にはバーがあり気軽に飲んで帰れるようになっているという。

離職率は半分--VOYAGE GROUPの「健康経営」とは〔2015年11月14日 ZDNet Japan〕

検査を生かした職場改善例も…休職者は復職し、業績は上がった

精神科専門医で産業医の経験も豊富な斉尾武郎さんは5年前、ある大企業の部署でうつ病の休職者が5人も発生した原因究明を任された。この時、ストレスチェックの検査結果から、原因は業務内容が大きく変化したことと、上司の過度の介入であることが判明。部署の仕事量を調整し、上司の対応を改めてもらったところ、休職者は復職を果たし、業績は以前よりも上がったという。

ストレスチェックは成功するか(前編)〔2015年5月12日 読売新聞〕

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